効果的なサプリメントの飲み方とは?注意点とともに解説
厚生労働省の調査によれば、日本人のサプリメント利用率は3割近くにも上ります。これほどまでに普及しているサプリですが、「いつ飲めばよいのか」「より効果を得るためにはどうしたらいいのか」などと疑問に感じている人は多いのではないでしょうか。
そこで今回はサプリメントを飲むタイミングや効果的な飲み方、サプリメントを飲む際に知っておくべき注意点などを解説していきます。飲み合わせなどについても紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
サプリメントを摂取するベストタイミングは
厚生労働省「2019年 国民生活基礎調査」によると、日本人のサプリメント利用率は男性21.7%、女性28.3%。もはやサプリメントは私たちの生活になくてはならない存在になりました。しかし、摂取のタイミングについての知識を持っている人はそう多くありません。
参考:国民生活基礎調査|厚労省
まずサプリメントはいつ飲めば効果的なのか、解説していきます。
基本的に飲むタイミングに決まりはない
医薬品の場合、分量や服薬方法、摂取のタイミングが厳格に決められていますが、サプリメントは医薬品ではないため、用法用量は決められていません。つまり、基本的にはいつ飲んでも問題ないということです。
おすすめのタイミングはある
もっとも、おすすめの摂取タイミングはあります。
たとえばタンパク質(アミノ酸)系のサプリメントは食前食後の摂取は避けるべきです。
なぜならタンパク質は食物に含まれるものが優先的に消化吸収され、サプリメントで摂取しても、利用効率が悪くなるからです。
そのため成分表記に「アミノ酸」やアミノ酸成分である「イソロイシン」「スレオニン」などの記載があるサプリメントは就寝前に摂取するとよいでしょう。
ビタミン系のサプリメントは、種類によっておすすめの摂取タイミングが異なります。
ビタミンには水に溶ける水溶性ビタミン(ビタミンB群、C)と、油に溶ける脂溶性ビタミンビタミンA、E、D、K)があります。水溶性ビタミンは体内蓄積できず、朝摂取しても尿や汗で体外に排出されてしまうのが特徴です。
ですから「ビタミンB₁」「ビタミンB₂」「ナイアシン」「葉酸」「パントテン酸」といったビタミンB群やビタミンCを主成分としたサプリメントは朝晩の二回、または、朝昼晩の三回摂取するのがおすすめです。
一方、脂溶性ビタミンは体内蓄積ができるため、ビタミンA、E、D、Kは一日一回でも問題ありません。飲むタイミングは食前がおすすめです。食物中の油に溶けるこれら脂溶性ビタミンは、食事の前に摂取することで吸収率アップが期待できるからです。
ビタミンAの「βカロチン」「レチノール」やビタミンE、ビタミンE剤である「トコフェロール酢酸エステル」などを主成分とするサプリメントは食前が適しているといえるでしょう。
上記以外のものは、いつ飲んでもかまいませんが、吸収率の観点から胃が活発に活動している食後がおすすめです。
サプリメントの摂取に際して知っておくべき注意点
サプリメントの摂取に際して、知っておくべき注意点があります。後悔しないよう事前に抑えておきましょう。
摂取量目安を守らなければ逆効果になることも
サプリメントは摂取量に比例して効果が高まるものではありません。各メーカーが提示している「摂取の目安量」を必ず守るようにしましょう。
特定の栄養素を過剰摂取すると、不調につながることがあります。
たとえば、亜鉛の過剰摂取では膵臓の不調、めまいや吐き気などを、ビタミンAの過剰摂取では食欲不振や脱毛、皮膚の剥離などを、マグネシウムの過剰摂取では下痢や血圧低下、吐き気などを引き起こすことがあります。
飲み合わせには注意
また飲み合わせには注意が必要です。複数のサプリメントを併用すると、吸収率が落ちたり健康に悪影響を及ぼしたりすることがあります。
特に医薬品を服薬している場合、サプリメントを飲むことで薬の副作用が強く出ることもあるのです。
たとえばビタミンKは血液凝固因子を活性化させる働きを持ちます。
心筋梗塞や脳梗塞の既往がある人がビタミンKと血液をサラサラにする「小板凝集抑制薬」と飲み合わせると脳梗塞や心筋梗塞を再発するリスクがあります。
また血圧降下薬のカルシウム拮抗薬とフラボン系(柑橘類)のサプリメントの飲み合わせで、低血圧症状や、めまいなどが起きるケースがあります。
持病がある方や、服用している薬がある方の場合、事前にかかりつけ医に相談するようにしましょう。
サプリメントの効果を最大限得るために
最後に、サプリメントの効果を最大限享受するために重要なポイントを解説します。
成分で選ぶ
健康食品も様々な企業からいろいろな製品が販売されていますが、重要なのが商品の選び方です。とりわけサプリメントではその手軽さゆえ、なにも考えず人気のものを選んでしまうケースが少なくありません。
配合成分によって得られる効果も違うので、自分の目的に合った成分を配合しているものを選ぶことが大切です。
また、そもそもサプリメントで得られる効果は生活習慣や体質などよっても異なります。ランキングの順位などでなく、成分で選ぶことが肝心です。
最低でも半年は継続しましょう
サプリメントの効果は栄養素を補給することによるに効果です。医薬品と異なり、短期間で効果が現れることはありません。効果を得るには継続することが大前提となります。最低でも半年は飲み続けてください。
飲む時間を決めておくと忘れにくい
すでにお伝えしているように基本的にサプリメントを飲むタイミングに決まりはありません。しかし飲むのを忘れてしまわないよう、飲む時間を決めておくとよいでしょう。
以上、お伝えしたことを意識してサプリメントを飲んでみてください。地道に続けることで目指している結果に近づけるはずです。